パソコンが「魔法の箱」だったあの頃
私が初めてパソコンというものに触れたのは1980年頃。シャープの「MZ-80(Z80CPU)」を購入した時のことです。当時は「Tiny BASIC」だったと思いますが、嬉しくて嬉しくて、この魔法の箱に何の計算をさせようかと夜も眠れないほど思案しました。 そして選んだのが「円周率」の計算です。何百回と繰り返しループ計算をさせ、粗いドットで一生懸命グラフを描画させたのを昨日のことのように覚えています。
その後、1994年にはWindows 3.1搭載のマシンをシャープ製「マイツール」抱き込みで購入しました。MS-DOSのBASICがついていたかは定かではありませんが、とにかくいじり倒して遊んでいました。 あの頃は、「パソコンを使うこと自体」が最高のエンターテインメントでした。「あんな事ができる!こんな事もできる!」と、画面の向こうに自分なりの新しい発見が毎日転がっていたのです。
いつしか単なる「文字打ち機」に……
しかし、2000年代に入り私が50歳代を迎える頃には、パソコンとの付き合い方もすっかり変わってしまいました。純粋な「計算する道具」としての役目は薄れ、書類作成やNCプログラムを作るだけの事務的な存在へ。 しかも、そのNCプログラムすらマシニングセンタやNC機搭載の編集機能で直打ちするようになり、気がつけば私にとってパソコンは、ただの「文字を打ち込む道具」に成り果てていました。
そうだ、久しぶりに「計算」で遊んでみよう!
「このままではいかん。もう一度、あの頃のように純粋な計算で遊んでみたい」 そう思い立った時、頭に浮かんだのはやはり、40年前と同じ「円周率(π)」でした。
とはいえ、現代のスーパーコンピュータは何兆桁も弾き出している時代です。ただ単に計算ボタンを押すだけでは全く面白くありません。そこで、コンピュータ登場以前の初期の求め方や、偉人たちが血の滲むような思いで開発した「無限級数」のアプローチを、現代のブラウザ上でシミュレートして追体験してみることにしました。
歴史と技術の進化を体験する3つの実験
紀元前のアルキメデスがどれほど苦労したのか? 乱数を使ってダーツを投げるようにπを求めたらどうなるのか?(40年前に私のパソコン画面に現れた、あの奇妙な「縞模様」の謎も解明しました!) そして、天才数学者たちが編み出した級数方式は、どれほどすさまじいスピードでπに近づくのか?
昔の乱数アルゴリズムがなんと貧弱だったか、そして数式(級数)の進歩がどれほど著しいか。私自身、作ってみて「おおっ!」と声が出るほどの新しい発見がありました。
あの頃のワクワク感を思い出しながら、ぜひ皆さんも下のリンクから触って遊んでみてください。
何万回、何百万回という計算が、今はブラウザ上で一瞬にして可視化されます。 技術の進歩に感心しつつ、数字が真理(π)へと近づいていく静かな興奮を、一緒に味わってみませんか?